俳優・水嶋ヒロが本名・齋藤智裕名義で書いた小説デビュー作『KAGEROU』(ポプラ社)が、15日の発売から5日間で35.1万部を売上げ、最新12/27付オリコン“本”ランキングBOOK(総合)部門1位に初登場した。デビュー小説が総合首位を獲得するのは、2008年4月の同ランキング開始以来初めて。

『第5回ポプラ社小説大賞』を受賞したが、斬新ゆえ評価は賛否両論

 同部門の歴代初動売上記録は、2008年7月発売『ハリー・ポッターと死の秘宝』(J.K.ローリング・著 松岡佑子・訳/静山社)の119.1万部、今年4月発売『1Q84 BOOK3』(村上春樹・著/新潮社)の39.8万部に続く3位。今年小説デビューした作家では、初週・累計売上記録ともに2位の爆笑問題・太田光『マボロシの鳥』(累積売上:7.5万部/新潮社)、3位の朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』(累積売上:6.8万部/集英社)を大きく引き離した。

 『第5回 ポプラ社小説大賞』で、応募総数1285作の中から第1回以来4年ぶりの大賞受賞を果たした同作。10月31日の受賞発覚直後から、同社には問い合わせが相次ぎ、急ピッチで書籍化が進められた。その反響は大きく予約数だけで40万部を突破し「ここ10年ほどの間では初めての注文部数」(同社)と、担当者も舌を巻いている状態だったという。

 発売後も水嶋の話題は尽きない。15日午前0時、深夜営業を行う各書店には解禁したての冊子が店頭に並べられた。東京・山下書店渋谷南口店には、深夜にも関わらず20人ほどが訪れ、われ先にと真新しい本を手にとった。話題の書だけに、多めに仕入れていたが、翌16日にはほぼ品切れ状態だったという。このように「発売日の午前中から売切れ店が続出し、追加注文が殺到した」(同社)現象がみられ、発売翌日には累計刷部数68万部、22日現在は76万部を突破している。

 水嶋が鮮烈デビューを飾った『KAGEROU』は、「命とは何か?」「人間の価値とは何か?」という深遠なテーマをダイナミックな物語構成で鋭く切り込んだ哀切かつ峻烈な“命”の物語。水嶋は同作を、映画化を視野に入れて書き上げた作品としているが、すでにいくつかの製作会社から映画化のオファーも届いている。


話題の『KAGEROU』、初週実売35.1万部で初登場首位